帰り道の、三日月

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仕事を終えて、マンションの通路を歩いていた。

いつもと同じ帰り道。バッグを持ち直して、部屋に向かう。ただそれだけのつもりだった。

ふと、空が目に入った。

深いブルーの空

日が落ちた後の空は、暗いようで、暗くない。

深いブルーが、まだそこに残っていた。グラデーションのように、少しずつ色が変わっている。マンションの窓から漏れる温かい光と、その青さが、不思議なくらいよく合っていた。

三日月が、輝いていた

空の真ん中あたりに、三日月があった。

細いのに、はっきりと輝いている。そのそばに、小さな星もひとつ。なんでもない夜空のはずなのに、吸い込まれるように見てしまった。

思わず立ち止まって、スマホを取り出した。

写真に撮っても、伝わらない気がした

シャッターを押しながら、これは伝わらないかもしれないと思った。

この空気感、帰り道の疲れ、それでもふと見上げたくなった感じ。写真には写らないものが、そこにはあった。

でも、撮らずにはいられなかった。

いつもの帰り道が、少し違って見えた

部屋に入る前に、もう一度だけ空を見た。

三日月は、さっきと同じ場所に輝いていた。明日もこの通路を歩く。たぶん、また空を見上げると思う。

いつもの帰り道が、少しだけ好きになった夜だった。

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